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アフガニスタンの住居 

アフガンの家
 
アフガニスタンには多くの民族が暮らし、気候も砂漠気候から高地気候までバラエティーにとんでいます。そして何処をとっても非常に厳しい環境であり、自然の猛威から身を守るため、その風土・生活習慣に合わせて様々な工夫をこらした住居が考えられてきました。

定住型住宅
カーブル他都市周辺
 
現在の大きな街では何処でも見かける鉄筋コンクリート造りの建物が多く、これといった特色がないのが特色でしょうか......。しかし、かつてカーブルの旧市街にはラホーリーと呼ばれるインド人のつくった木造の建物やユダヤ人のシナゴークなど歴史を感じさせる建造物が数々ありました。残念なことにソ連が、ムジャヒディンが、タリバーンが果てることのない内戦を繰り広げたためにもう存在すら定かではありません。





郊外/農村部
 農村部の建築物も地方により異なるのですが、南部を中心とした標準的な家は土の日干しレンガを積んでつくります。特に乾燥地帯である南部では木材が希少なため屋根の梁以外は泥煉瓦のみでつくられている場合がほとんどです。このような構造のため上からの力に弱く、結婚式などで野次馬がたくさん屋根に上がると屋根が抜けてしまうと云った事件もしばしば聞かれます。外見は窓も少なく、廻りの土と全く同じ色で完全に風景にとけ込んでしまうような感じです。
 住み心地はというと、屋外では摂氏60度を超えるような真夏の日差しを浴びても内部は摂氏28度という驚くべき数値が測定されたそうです。日を浴びても熱を内部まで伝えないあつい泥の壁とむやみに暑い外気を室内に入れない構造だからこのような環境を保ててるのでしょう。




 東部では平屋根が多く、西部ではドーム型の屋根が多くみられます。特にヘラート周辺の建築物の屋根には風を取り入れるためのスクープが設置されているのが特徴です。

 アフガニスタンの北東部にあるヌーリスタン地方では山肌に寄り添うように建てられた土と木で作られた家に住んでいます。それぞれの家の扉や、柱、壁にはきれいな模様がほりこまれています。幾つもの山を超えた隣のパキスタンの山岳地帯にもヌーリスタン地方の人たちとよく似た生活を送るカラシュ族と呼ばれる人たちが暮らしています。これらの地方の人達は6枚の板を組み合わせた家具を使います。時には板を2枚増やして手前開きの二段のチェストのような物も使っています。他にコップ、皿などの生活用品も木製の物を使っています。

否定住型住宅
遊牧民 /パシュトゥーン
 
遊牧をする人々の住居はテントです。テントも部族や生活形態(遊牧、半遊牧)といった要素により千差万別ですが、アフガニスタンに暮らす人々のテントは大別して「黒いテント」と呼ばれるものを使う人たちと家型の「ユルト」を使う人たちに分かれます。
 このテントに要求される条件としては軽くて丈夫で建てやすいということが大きなポイントになりますが、遊牧生活をするパシュトゥーンやバルーチはこれらの条件を満たすためにヤギの毛で織ったテントを使います。ヤギの毛は黒、もしくは濃い茶色で、そのまま織ると黒いテントになることから前述の「黒いテント」と呼ばれるスタイルになります。
 ポールの数等に微妙な差はありますが出来上がりは亀の甲のような平べったい感じになり、テントの素材も遊牧中に自分達のヤギから刈った毛を使って織る場合もありますし、同じ遊牧民から交換してもらうとか購入したりして入手します。
 非常に簡素な構造で、裾の部分は外部に開放されていて風通しのよいものとなっています。

遊牧民 /トルクマン、ウズベク
 
彼らも遊牧中にはテントに居住しますが、彼らのテントは中央アジアでよく見られる家型のもので、トルクマンはユイ(ウィ)と呼びます。柳の骨組みの上にウールフェルトを巻いた構造で大きく頑丈なのがその特徴です。かつては遊牧するトルクマン、ウズベク達はユルトで生活していましたが時とともに定住化促進政策が進められ、テントで暮らす人々はその数を減らしてゆきました。
 ユルトの設営方法ですが、まず整地をした上で、ラクダの皮で蛇腹状にとめられたものを繋ぎ丸く建て込みます。その後で頂点の丸い部分(天蓋)を持ち上げて壁の廻りから屋根の骨にあたるエル字に曲げられた棒を天蓋に作られた穴にさして壁に一本一本留めてゆき、骨組みが終わると壁、屋根をウールで織った帯でしっかりと留めその上からフェルトを屋根に被せて壁にはまずヨシズをぐるりとまわしその上からフェルトを巻き込みます。夏には壁に巻いたフェルトをめくり上げて風通しを良くします。テントの土間にはフェルトや絨毯を敷き食料や身の回りのものを運び込み完成です。

 ユルトの出入り口にはパルダと呼ばれるデザインの絨毯を下げて外からの埃や風を防ぎましたが、19世紀に入ってからは木のドアをユニットごと持って移動するようになりました。しかしパルダのデザインは絨毯に残り今でもこの柄の絨毯をみかけます。
 遊牧民は木の家具を持ちません。物を入れて運ぶウールで織られた袋を家具として使用します。従ってその大きさにも色々あり小物入れからボレシュトと呼ばれる枕(クッション)、ジャラールという大きめの袋に各部族や家族に伝わる柄をふんだんに織り込んだ素敵な袋に囲まれて暮らしいます。その中でも一番大きいのは床に敷いて使う一対で織られたジョワールと呼ばれる物です。
 現在でもバザールに行くと実際に遊牧民が使用していた荷物袋やロバの背に乗せる鞍袋などをみかけます。実際に使用した物の特徴はものすごい埃と補修の跡でしょうか。

・洞窟
 これは特別な例ですがアフガニスタンの中部山岳地帯には無数の洞窟があり天然の住居を提供してくれます。バーミヤンの石仏の写真をご覧になるとわかると思いますが仏様の周りに無数に開いている穴に暮らしている人もいます。乾燥した地域であれば洞窟の中は夏でも涼しく絶好の居住空間を提供してくれます。